ハラスメントの証拠の集め方とは?職場・家庭での種類と対処法を解説

指をさす人

職場での上司からの威圧的な言動、家庭内でのパートナーからの精神的な攻撃など—―、ハラスメント被害に苦しんでいませんか?

近年、ハラスメント被害は、さまざまな形で認知されるようになりました。

厚生労働省が令和6年に発表した「令和5年度 厚生労働省委託事業 

職場のハラスメントに関する実態調査報告書」によると、過去3年間の職場のハラスメント相談有無は、パワハラが64.2%を記録しています。

この結果は、決して無視することができない数値でしょう。

また、ハラスメントは職場だけでなく、家庭内でも起こる可能性があるため、誰の身に起こっても不思議ではありません。

本記事ではハラスメントの定義に迫り、家庭内と職場内で起こるハラスメントの種類や対処法についても解説します。本記事では特に、証拠が少ない・自信が持てないときの証拠の集め方についても具体的に解説します。

参考:厚生労働省|令和5年度 厚生労働省委託事業  職場のハラスメントに関する実態調査報告書(令和6年3月発表)

目次

ハラスメントの定義

ハラスメント(harassment)とは、いじめや嫌がらせといった迷惑行為全般を指す言葉です。

しかし、単なる「嫌な行為」ではなく、法的にも明確な基準が存在します。

本章では、ハラスメントの定義について、くわしく解説していきます。

ハラスメントの共通定義は人格や尊厳を傷つけること

ハラスメントは、発言や行動によって他者に不快感を与え、個人の尊厳や人格を不当に傷つける行為を意味します。

被害者の就業環境や、生活環境が害されればハラスメントが成立します。

そのため、叩く・殴るといった身体的な攻撃だけでなく、暴言や無視といった精神的ダメージを与える行為もハラスメントに含まれるのです。

また、一度だけの行為でも、その内容が深刻であれば十分にハラスメントと認められます。継続性や反復性は必須条件ではありません。

ハラスメントの4つのレベルと法的責任

ハラスメントの4つのレベルと法的責任

ハラスメントは「法令で定義されたもの」「社会通念上ハラスメントと認識されているもの」の大きく2つに分けられます。

法令で定義されているのは、以下の5つのハラスメントです。

  • セクシャルハラスメント(セクハラ)
  • パワーハラスメント(パワハラ)
  • マタニティハラスメント(マタハラ)
  • パタニティハラスメント(パタハラ)
  • ケアハラスメント(ケアハラ)

社会通念上ハラスメントと認識されているものは、以下のようなハラスメントです。

  • モラルハラスメント(モラハラ)
  • アルコールハラスメント(アルハラ)
  • ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)

など。

さらに、ハラスメントは被害に応じて4つのレベルにわけることができるため、ひとつずつ解説していきます。

刑法上の犯罪に問われる

ハラスメントの中でも特に悪質性の高いものは、刑事罰に該当することもあります。

刑法に抵触した場合、逮捕や起訴をされることも。

具体的には、以下のような犯罪に該当します。

暴行罪

他人に対して暴行をくわえた場合に成立する犯罪のことです。

殴る・蹴る・叩くといった暴力行為から、音・光・熱・冷気といった物理力の行使も暴行にあたります。

傷害罪

暴力により、他人の体に傷害を負わせた場合に成立する犯罪です。

名誉棄損罪

不特定多数が認識できる状態で事実を摘示(これが事実であるかどうかは関係ありません)し、人の名誉の毀損した者が該当します。

侮辱罪

事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱したことによる罪です。

例えば、「バカ」「無能」などといった悪口が、該当する可能性があります。

脅迫罪

相手を脅迫したときに成立する犯罪のことです。

生命、財産、名誉、自由、体への害悪を告知することを指し、客観的に恐怖を感じるものが該当します。

強制わいせつ罪

相手の合意なく行う、わいせつな行為のことを指します。

抱きつく、体を触る、キスをする、性器などを触らせる等の行為が該当するでしょう。

民法上の不法行為とみなされる

刑法で処罰されない場合でも、民法上の不法行為(民法709条)として損害賠償請求が可能です。

民法上の不法行為(民法第709条)とは、「故意または過失によって他人の権利や法律上の利益を侵害し、損害を与える行為」のことを指します。

ハラスメントによって精神的苦痛を受けた場合、慰謝料請求ができます。

また、ハラスメントが原因でうつ病を発症し、働けなくなった場合は逸失利益(失った収入)や治療費も請求対象です。

民事訴訟では、被害者が証拠を提示して被害を立証する必要があります。

そのため、ハラスメントの記録(メール、録音、日記など)を残しておくことが極めて重要となります。

企業に対しても、ハラスメントを防止する義務を怠ったとして、使用者責任(民法715条)や安全配慮義務違反(労働契約法5条)を理由に損害賠償請求ができます。

労働法上の該当行為とみなされる

職場におけるハラスメントは、労働関連法によっても規制されています。

労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)では、2020年6月から大企業に、2022年4月からは中小企業にもパワーハラスメント防止措置が義務化されました。

企業はハラスメント防止のための方針明確化、相談窓口の設置、再発防止措置などを講じなければなりません。

男女雇用機会均等法ではセクシュアルハラスメント防止措置が、育児・介護休業法ではマタニティハラスメントやパタニティハラスメント、ケアハラスメントの防止措置が義務付けられています。

これらの法律に違反した企業には、厚生労働大臣による助言・指導・勧告が行われ、従わない場合は企業名が公表されるペナルティがあります。

企業秩序違反に抵触する

ハラスメント行為は、企業の就業規則における企業秩序違反にも該当します。

多くの企業では就業規則に「他の従業員に対する嫌がらせ行為の禁止」「職場環境を乱す行為の禁止」といった規定があり、これに違反すれば懲戒処分の対象となるのです。

懲戒処分には、戒告、減給、出勤停止、降格、そして懲戒解雇まで、複数の段階があります。

特に悪質なハラスメントの場合、懲戒解雇となれば、退職金の不支給や再就職への影響など、加害者のキャリアに致命的なダメージを与えます。

職場で起こるハラスメントの7つの種類

職場で起こるハラスメントの7つの種類

職場は様々なバックグラウンドを持つ人々が集まる場所であり、それゆえに多様なハラスメントが発生しやすい環境です。

ここでは、職場で特に問題となる7種類のハラスメントについて解説します。

パワーハラスメント(パワハラ)

パワハラは、職務上の地位や人間関係などの優位性を背景に、精神的・身体的苦痛を与える、または職場環境を悪化させる行為です。

ただの叱責ではなく、業務の適正な範囲を超えているというのが特徴です。

厚生労働省は、パワハラを以下の6類型に分類しています。

  • 身体的な攻撃
  • 精神的な攻撃
  • 人間関係からの切り離し
  • 過大な要求
  • 過小な要求
  • 個の侵害

セクシュアルハラスメント(セクハラ)

セクハラは、相手の意に反する性的な言動を指します。

男女雇用機会均等法では、職場におけるセクハラを「対価型」「環境型」に分類しています。

対価型セクハラは、性的な言動への対応により、解雇、降格、減給などの不利益を受けるものです。

例えば、上司からの性的な誘いを断ったら、配置転換や不当な人事評価を受けるケースが該当します。

環境型セクハラは、相手の性的な言動により就業環境が不快なものとなり、能力の発揮に重大な影響が生じるものです。

性的な冗談やからかい、わいせつ画像を見せる、不必要な身体接触、執拗な食事やデートの誘いなどが含まれます。

セクハラは女性が被害者となるケースが多いですが、男性が被害者となる場合や、同性間でのセクハラも存在します。

また、LGBTQ+の方々に対する性的指向や性自認に関する侮辱的な言動も、セクハラに該当します。

マタニティハラスメント(マタハラ)

マタハラは、妊娠・出産・育児に関連して、女性労働者が受ける嫌がらせや不利益な扱いを指します。

具体的には、以下のような言動が該当します。

  • 妊娠を報告したら退職を促された
  • 産休・育休の取得を妨害された
  • 妊娠中に重労働を強要された
  • 時短勤務を理由に降格させられた
  • 「妊婦は迷惑」といった発言をされた

などが該当します。

育児・介護休業法や男女雇用機会均等法により、妊娠・出産を理由とした不利益な取り扱いは明確に禁止されています。

妊娠中や産後1年以内の解雇は、企業が「妊娠・出産が理由ではない」と証明できない限り、無効とされます。

また、つわりで体調が悪い時期に配慮がない、妊婦健診のための休暇を認めない、といった行為も違法です。

パタニティハラスメント(パタハラ)

パタハラは、男性が育児参加することに対して行われる嫌がらせや不利益な扱いです。

具体的には、以下の通りです。

  • 育児休業の取得を申し出たら「男のくせに育休なんて」と非難された
  • 育児のための時短勤務や定時退社を認めてもらえない
  • 「育児は妻の仕事だろう」と言われた
  • 育休から復帰後に不当な人事異動をされた

などが該当します。

育児・介護休業法では、男性も育児休業を取得する権利があり、それを理由とした不利益な取り扱いは禁止されています。

しかし、現実には「男性が育児休業を取るのは当然」という認識が職場に浸透しておらず、パタハラが発生しやすい状況があります。

ケアハラスメント(ケアハラ)

ケアハラは、家族の介護を行う労働者に対する嫌がらせや、不利益な扱いを指します。

高齢化社会の進展により、親や配偶者の介護と仕事の両立を迫られる労働者が増加しています。

  • 介護休業の取得を申請したら退職を促された
  • 介護のための時短勤務を認めてもらえない
  • 「親の介護くらい自分でやれ」と叱責された
  • 介護を理由に昇進の機会を奪われた

といったケアハラが発生しています。

育児・介護休業法では、労働者は家族の介護のために休業や時短勤務を取得する権利があり、それを理由とした不利益な取り扱いは禁止されています。

カスタマーハラスメント(カスハラ)

カスハラは、顧客や取引先から、従業員が受ける理不尽な要求や嫌がらせを指します。

具体的には、以下の通りです。

  • 長時間の拘束や執拗なクレーム
  • 暴言や脅迫
  • 土下座の強要
  • SNSでの誹謗中傷の投稿や拡散
  • 顧客や取引先からのセクハラ
  • 金品の要求

などが該当します。

「お客様は神様」という言葉が誤って解釈され、顧客であれば何をしても許されるという誤った認識が、カスハラを助長しています。

2022年2月には、厚生労働省が「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を公表し、企業にカスハラ対策を求めています。

企業には、従業員をカスハラから守る義務があり、適切な対応方針の策定、従業員への研修、相談体制の整備などが必要です。

悪質なカスハラは、業務妨害罪、脅迫罪、強要罪、名誉毀損罪などの刑事事件として立件できる可能性もあります。

また、民事上の損害賠償請求も可能です。

就活ハラスメント

就活ハラスメントは、就職活動中の学生や求職者が、企業の採用担当者やリクルーターから受ける嫌がらせや不適切な扱いを指します。

具体的には以下の通りです。

  • 面接時のセクハラ(容姿や恋愛経験についての質問、身体接触など)
  • 性別・年齢・出身地などによる差別的な発言
  • 内定と引き換えに性的関係を迫る
  • 過度な拘束(他社の選考を受けさせない、長時間の研修参加の強要など)
  • 従業員による暴言やパワハラ

などが該当します。

就職活動中の学生や求職者は、「内定が欲しい」という立場にあり、不適切な扱いを受けても声を上げにくい状況があります。

男女雇用機会均等法では、募集・採用における性別による差別を禁止しています。

また、面接時に本人の適性・能力と関係のない事項(家族構成、生活環境、思想・信条など)を質問することは、公正な採用選考を妨げる行為として、厚生労働省が是正を求めています。

家庭(夫婦間)でのハラスメント4種類

家庭で起こる主なハラスメント4種類

ハラスメントは職場だけでなく、家庭内でも深刻な問題となっています。

特に夫婦間で起こるハラスメントは、被害者が逃げ場を失い、長期化・深刻化しやすいという特徴があります。

モラハラ(モラルハラスメント)

モラハラは言葉や態度によって、相手の人格や尊厳を傷つける精神的な暴力です。

身体的な暴力は伴いませんが、被害者の心に深い傷を残します。

具体的な行為としては以下の通りです。

  • 人格否定の言葉(「お前は何をやってもダメだ」「価値がない」など)
  • 無視や冷たい態度
  • 責任の押し付け
  • 過度な干渉や監視
  • 外出や交友関係の制限
  • 家事や育児への協力拒否と批判

などがあります。

モラハラの特徴は、外部からは分かりにくいことです。

ハラスメント加害者は外面が良く、家庭内で豹変するケースが多く見られます。

また、被害者自身も「自分が悪いのではないか」と思い込み、被害を認識できないことがあります。

長期的なモラハラ被害は、被害者に抑うつ状態、不安障害、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などをもたらします。

自己肯定感が著しく低下し、正常な判断ができなくなることも。

民法上、モラハラは「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)として離婚事由になり得ます。

また、精神的苦痛に対する慰謝料請求も可能です。

マネハラ(経済的DV)

マネハラは、経済的DVとも呼ばれ、金銭を通じて相手を支配・抑圧する行為です。

配偶者暴力防止法(DV防止法)では、身体的暴力だけでなく、経済的暴力もDVとして認識されています。

具体的には、以下の通りです。

  • 生活費を渡さない
  • 極端に制限する
  • 収入や貯金について情報を隠す
  • 配偶者の収入を全て管理し
  • 自由に使わせない
  • 仕事を辞めさせる
  • 働かせない
  • 借金を強要する
  • クレジットカードを勝手に使う

などの行為が該当します。

経済的DVの被害者は、経済的自立ができず、加害者から離れることが困難になります。

「お金がないから離婚できない」という状況に追い込まれ、支配関係が固定化してしまうのです。

また、専業主婦(主夫)に対して「誰の稼ぎで生活していると思っているんだ」と言ったり、家事労働を評価せず小遣いすら与えないといった行為も、経済的DVに該当します。

経済的DVは離婚事由となり、慰謝料請求が可能です。

また、離婚時には財産分与として、婚姻期間中に形成した財産の半分を請求する権利があります。

たとえ専業主婦(主夫)であっても、家事労働という貢献があったとして、財産分与は認められます。

フキハラ(不機嫌ハラスメント)

フキハラは、不機嫌な態度や機嫌の悪さを態度で示すことで、相手に精神的苦痛を与える行為です。

具体的には、以下の通りです。

  • 明らかに不機嫌な態度を示し続ける
  • 舌打ちやため息を頻繁にする
  • 物に八つ当たりする(ドアを乱暴に閉める、物を投げるなど)
  • 質問や話しかけに無視や短い返答で対応する
  • 理由を説明せず不機嫌さで相手をコントロールする

などの行為が該当します。

フキハラの加害者は、不機嫌さを周囲にぶつけることで相手を萎縮させ、自分の思い通りにしようとします。

被害者は「機嫌を損ねないように」と常に気を遣い、精神的に疲弊していきます。

特に問題なのは、フキハラの加害者自身が「自分は何も言っていない」と認識していることです。

直接的な暴言はないため、加害者は自分の行為がハラスメントであると気づいていないケースがあります。

フキハラもモラハラの一種として、離婚事由や慰謝料請求の根拠となり得ます。

性的・マタニティハラスメント

家庭内でも、性的ハラスメントやマタハラが発生します。

家庭内での性的ハラスメントには、配偶者の意に反する性行為の強要、避妊への協力拒否、性的な行為の強制撮影や拡散、性的な侮辱や嘲笑、などが含まれます。

夫婦間であっても、同意のない性行為は性的暴行として刑法上の不同意性交等罪に該当する可能性があります。

家庭内でのマタニティハラスメントには、妊娠中の妻に家事を全て押し付ける、妊娠・出産への協力や理解がない、「妊娠は病気じゃない」と配慮しない、産後の体調不良を理解せず非難する、育児への協力を拒否する、などがあります。

妊娠・出産は女性の身体に大きな負担をかけ、産後の回復にも時間が必要です。

配偶者の理解と協力は不可欠であり、それを欠いた行為はハラスメントとして、離婚事由や慰謝料請求の根拠となります。

ハラスメントが発生する要因

ハラスメントが発生する要因を理解することは、防止策を考えるうえで必要です。

特に考えられるのは以下の3点になります。

  • 加害者側の知識不足
  • 一方的な価値観の押し付け
  • 固定観念による差別意識

それぞれくわしく解説していきます。

加害者側の知識不足

多くのハラスメント加害者は、自分の行為がハラスメントに該当すると認識していません。

「これくらいは冗談の範疇」「指導の一環だ」といった認識で行動し、相手が傷ついていることに気づかない、あるいは気づこうとしません。

特に、以前は許容されていた言動が、現在ではハラスメントとして認識されるようになったケースでは、世代間のギャップが問題となります。

かつては黙認されていた性的ハラスメントや、「厳しく指導するのは相手のため」という思い込みから、度を越した叱責や人格否定を行ってしまうケースもあります。

指導と人格否定の違い、適切なフィードバックの方法についての知識が不足しているのです。

一方的な価値観の押し付け

ハラスメントの多くは、加害者が自分の価値観を絶対視し、それを相手に押し付けることから生じます。

ハラスメントを生んでしまうのは、以下のような価値観が考えられます。

  • 仕事は残業してなんぼだ
  • 育児は女性の役割だ
  • 若者は飲み会に参加すべきだ
  • 結婚して一人前だ

といった個人の価値観を、普遍的なものであるかのように扱い、それに従わない人を非難する行為が横行してしまうのです。

この現代において、人々の価値観、ライフスタイル、働き方は多様化しています。

しかし、加害者はこの多様性を認めず、自分の基準に合わない相手を排除しようとします。

特に、職場における世代間の価値観の違い、ワークライフバランスに対する考え方の違い、家庭における性別役割分担の考え方の違いなどが、ハラスメントを引き起こす要因となっています。

価値観の多様性を認め、相手の選択を尊重する姿勢が、ハラスメント防止には欠かせません。

固定観念による差別意識

性別、年齢、人種、国籍、障害の有無、性的指向などに関する固定観念や偏見が、ハラスメントの根底にあります。

「女性は感情的だ」「男性は弱音を吐くべきではない」「高齢者は新しいことを覚えられない」「若者は根性がない」など、個人の実際の能力や人格を見ずに、属性だけで判断する差別的な考え方です。

これらの固定観念に基づいた発言や行動は、相手の尊厳を傷つけ、能力発揮の機会を奪います。

例えば、「女性だから管理職は無理」と決めつけることは、明確な性差別です。

「障害者だから○○はできない」と決めつけることも、障害者差別に該当します。

ハラスメントが及ぼす個人・企業への影響

ハラスメントは、被害者個人だけでなく、企業や組織全体にも深刻な影響を及ぼします。

本章ではハラスメントが及ぼす個人・企業への影響について解説します。

個人:メンタルへの影響

ハラスメント被害者が受ける精神的ダメージは、極めて深刻です。

継続的なハラスメントを受けることで、被害者はうつ病、適応障害、不安障害、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などの精神疾患を発症する可能性が高くなります。

具体的な症状としては、以下の通りです。

身体症状
  • 不眠
  • 食欲不振
  • 動悸
  • 頭痛
  • 胃痛
精神的症状
  • 意欲の低下
  • 集中力の欠如
  • 自己肯定感の喪失
  • 自責感の増大
  • 重症化すると自殺念慮に至ることも

また、ハラスメントによる精神的ダメージは、職場や家庭だけでなく、被害者の人生全体に影響を及ぼします。

社会生活そのものが困難になることもあります。

企業:法的責任・イメージダウン

企業にとっても、ハラスメントは重大なリスクです。

ハラスメントが蔓延する職場では、従業員は萎縮し、自由な意見交換や創造的な仕事ができなくなります。

法的責任の面

ハラスメントを放置した企業は、安全配慮義務違反や使用者責任を問われ、被害者から損害賠償請求を受ける可能性があります。

また、労働施策総合推進法などに違反すれば、行政指導や企業名の公表といったペナルティを受けます。

企業名が公表されれば、社会的信用は大きく損なわれるでしょう。

経済的損失も深刻

ハラスメントによる従業員の休職や退職は、採用コスト、教育コストの損失につながります。

優秀な人材が離れれば、企業の競争力は低下します。

企業イメージの悪化

ハラスメント事件が報道されれば、SNSで拡散され、企業のブランドイメージは著しく傷つきます。その結果、顧客離れ、取引先からの信用失墜、優秀な人材の採用困難といった事態を招きます。

さらに、職場環境の悪化により、従業員のモチベーション低下、生産性の低下、職場の雰囲気の悪化といった問題も発生します。

企業がハラスメント対策に真剣に取り組むことは、従業員を守るだけでなく、企業自身を守ることでもあるのです。

ハラスメントへの対処法と改善のステップ

ハラスメント被害の証拠収集チェックリスト

ハラスメント被害に遭った時、どのように対処すべきでしょうか。

ハラスメント被害に対する、具体的なステップを解説します。

ハラスメント被害の情報収集を行う

ハラスメント被害を解決するための第一歩は、証拠の収集です。

具体的には、以下のような証拠を集めましょう。

日時・場所・内容の記録

ハラスメントを受けた日時、場所、相手の言動、自分の対応、目撃者の有無などを、できるだけ詳細に記録します。

手書きの日記でも、スマートフォンのメモでも構いません。

重要なのは、継続的に記録することです。

録音・録画

可能であれば、ハラスメント行為を録音・録画します。スマートフォンのボイスレコーダー機能を活用しましょう。

※ただし、録音・録画は自力で行なうと知らず知らずのうちに法に触れてしまう可能性があるので、証拠収集の専門家である探偵に依頼することをおすすめします。

メール・メッセージの保存

メール、SNS、チャットなどでのハラスメント発言は、スクリーンショットを撮影して保存します。

削除される前に、複数の場所にバックアップを取っておきましょう。

医師の診断書

ハラスメントにより心身に不調をきたした場合は、医療機関を受診し、診断書を取得します。

診断書には、症状とハラスメントとの因果関係を明記してもらうことが重要です。

目撃者の証言

ハラスメントを目撃した同僚などがいれば、証言を得られるよう協力を依頼します。

ただし、目撃者も報復を恐れることがあるため、慎重に対応しましょう。

「何を、どう集めればいいか分からない」という場合は、無理に一人で抱え込まず、証拠収集の専門家である探偵に相談するのも有効な方法です。 無料相談で、状況に応じた証拠の集め方をアドバイスいたします。

これらの証拠は、社内での相談、労働局への申告、訴訟など、あらゆる場面で必要となります。

「いつか使うかもしれない」という意識で、継続的に記録を残しましょう。

職場における防止措置(企業の義務)

企業には、ハラスメントを防止するための措置を講じる法的義務があります。
具体的には、以下のような対策が求められます。

方針の明確化と周知

企業は、ハラスメントを許さないという方針を明確にして就業規則に規定し、全従業員に周知する必要があります。

また、ハラスメントの定義や具体例を示し、どのような行為が問題となるかを明示します。

相談窓口の設置

従業員が安心して相談できる窓口を設置します。

相談窓口は、社内だけでなく、社外の専門機関に委託することも有効です。

相談者のプライバシーが守られ、不利益な扱いを受けないことを保証する必要があります。

迅速かつ適切な対応

ハラスメントの相談や申告があった場合、企業は速やかに事実関係を調査し、適切な措置を講じる義務があります。

適切な処置には、被害者の保護、加害者への懲戒処分、再発防止策の実施などが含まれます。

再発防止策

ハラスメントが発生した原因を分析し、再発を防ぐための対策を講じます。

組織風土の改善、管理職への指導、配置転換などが考えられます。

教育・研修の実施

全従業員に対して、定期的にハラスメント防止研修を実施します。

特に、管理職にはより深い理解と適切な対応方法の習得が求められます。

企業がこれらの義務を果たしていない場合、従業員は労働局に相談し、行政指導を求めることが可能です。

ハラスメント被害の相談先

ハラスメント被害の相談先

ハラスメント被害に遭った時、一人で抱え込まず、適切な相談先に助けを求めることが重要です。

具体的な相談先について、解説していきます。

社内・社外窓口に相談する

最初に検討すべきは、職場の相談窓口への相談です。

多くの企業には、ハラスメント相談窓口が設置されています。

人事部、コンプライアンス部門、または外部の専門機関に委託している場合もあります。

社内窓口に相談するメリットは、企業が直接対応できるため、迅速な解決が期待できることです。

また、企業には調査義務があるため、事実関係の確認や加害者への対応が行われます。

ただし、社内窓口に相談しても適切な対応がなされない場合や、情報が漏れて状況が悪化するケース、加害者が経営層であるときなどは、社外の窓口を利用する必要があります。

社外の相談窓口としては、産業カウンセラー、社会保険労務士、弁護士などの専門家が運営する相談サービスがあります。

これらは企業から独立しているため、中立的な立場からアドバイスを受けられます。

相談する際は、事前に準備した証拠や記録を持参し、具体的な状況を説明できるようにしておきましょう。

公的な相談窓口を利用する

公的な相談窓口は以下の通りです。

都道府県労働局の総合労働相談コーナー

職場でのあらゆる労働問題について、無料で相談できる窓口です。

全国の労働局、労働基準監督署に設置されており、専門の相談員が対応します。

相談内容に応じて、助言、あっせん(紛争解決の仲介)、労働基準監督署への申告といった対応が取られます。

企業に対して行政指導が行われることもあります。

みんなの人権110番(法務省)

こちらは人権侵害に関する相談を受け付ける窓口になります。

ハラスメントは人権侵害でもあるため、相談が可能です。

電話だけでなく、インターネットでも相談を受け付けています。

男女共同参画センター

特に性別に関連するハラスメント(セクハラ、マタハラなど)について、専門の相談員が対応します。

各都道府県に設置されており、カウンセリングや法律相談も利用できます。

警察

暴行、脅迫、ストーカー行為など、刑事事件に該当する可能性がある場合は、警察に被害届や告訴状を提出できます。

また、緊急の危険がある場合は、110番通報も躊躇してはいけません。

※ハラスメント被害の証拠がまったく提出できない場合は、事件性がないと判断され、動けない場合もあります。

誹謗中傷ホットラインに相談する

インターネット上でのハラスメント、特にSNSでの誹謗中傷、個人情報の晒し、名誉毀損などについては、誹謗中傷ホットラインに相談できます。

一般社団法人セーファーインターネット協会が運営する「誹謗中傷ホットライン」では、違法・有害情報の削除依頼のサポートを行っています。

相談は無料で、匿名でも可能です。

また、各SNSプラットフォームにも、通報・削除依頼の機能があります。

利用規約に違反する投稿については、プラットフォーム側が削除対応を行います。

ただし、削除されても投稿者の特定や損害賠償請求には、別途法的手続きが必要です。

弁護士などの法律専門家に相談する

弁護士はハラスメント被害について、法的観点から専門的なアドバイスと支援を提供できます。

弁護士に相談するメリットは、損害賠償請求、労働審判、民事訴訟などの法的手続きを代理してもらえることです。

また、企業との交渉、証拠の収集方法のアドバイス、書面の作成なども依頼できます。

「弁護士に相談するのは敷居が高い」と感じる方は、法テラス(日本司法支援センター)での相談がおすすめです。

ハラスメント問題に詳しい弁護士を探すには、弁護士会の法律相談センター、インターネットでの検索、知人の紹介などの方法があります。

労働問題や離婚問題を専門とする弁護士は、ハラスメント事案にも精通していることが多いです。

ハラスメント被害に強い探偵事務所に依頼する

探偵事務所は、ハラスメント被害の証拠収集において、有効な選択肢です。

探偵事務所に依頼するメリットは、専門的な調査技術を駆使して、法的に有効な証拠を収集してくれることです。

特に、以下のようなケースで力を発揮します。

職場でのパワハラ・セクハラ

加害者の言動を記録するためのアドバイス、目撃者からの聞き取り調査、加害者の行動パターンの調査などを行います。

家庭内のモラハラ・DV

配偶者の暴言や暴力の証拠収集、浮気や不貞行為の調査(モラハラと併せて離婚原因となる)、生活実態の記録などを行います。

カスタマーハラスメント

悪質な顧客の言動の記録、他の被害者の特定、SNSでの誹謗中傷の証拠保全などを行います。

探偵事務所は、証拠収集のプロフェッショナルです。

集めた証拠は、その後の弁護士・警察への相談、訴訟などで活用できます。

また、多くの探偵事務所は、弁護士やカウンセラーと連携しており、総合的な解決サポートを提供しています。

ハラスメント被害で当探偵事務所に依頼するメリット

当探偵事務所は、ハラスメント被害の解決において、豊富な実績と専門知識を持っています。

以下、具体的なメリットについてお伝えいたします。

ハラスメント被害にくわしい探偵が担当してくれる

ハラスメント被害専門の調査員は、ハラスメントの法的定義、証拠として有効な情報の種類、調査の適法性などについて多くの知識を持っています。

そのため、合法の範囲で、確実に証拠を収集することができます。

また、被害者の心理状態を理解し、寄り添った対応を心がけています。

ハラスメント被害者は精神的に傷ついており、調査への不安も大きいものです。

当探偵事務所の調査員は、丁寧なヒアリングと説明により、安心して調査を進められるようサポートします。

ハラスメント被害の証拠を集めてくれる

当探偵事務所の最大の強みは、法的に有効な証拠を確実に収集する技術です。

ハラスメントの証拠として重要なのは、客観性、継続性、具体性です。

単に「嫌なことを言われた」という主観的な訴えだけでは、法的な対応は困難です。

また、自力で証拠を集めようとすると、ハラスメント加害者を刺激してしまう恐れがありますが、探偵に依頼することでそのリスクを避けることが可能になります。

探偵は、聞き込み、張り込み、尾行という手段を駆使し、情報を手に入れます。

ときには潜入やインターネット調査なども行い、客観性の高い確固たる証拠を掴み取ります。

収集した証拠は、法的に有効な報告書という形にまとめてお渡しします。

この報告書は、弁護士への相談、労働審判、訴訟などで活用できる形式になっています。

ハラスメントの根本解決をサポートしてくれる

当探偵事務所は、単に証拠を集めるだけでなく、被害者の根本的な問題解決をサポートします。

ハラスメント被害の解決には、証拠収集だけでなく、その後の法的手続き、心理的ケア、生活再建など、多岐にわたるサポートが必要です。

以下のような総合的な支援を提供します。

弁護士との連携

調査終了後、スムーズに法的対応に移行できるよう、弁護士への紹介や連携をサポートします。

カウンセラーの紹介

ハラスメント被害による精神的ダメージは深刻です。

必要に応じて、専門のカウンセラーや医療機関を紹介し、心のケアをサポートします。

アフターフォロー

調査終了後も、その後の経過について相談に応じます。

「調査して終わり」ではなく、被害者が真に問題を解決し、新しい生活を始められるまで、継続的にサポートします。

秘密厳守

調査内容や依頼者の情報は、厳格に管理し、外部に漏れることは一切ありません。

プライバシー保護を最優先に、安心して相談できる環境を提供しています。

当事務所へのご相談は、電話、メール、LINEなど、ご都合の良い方法でお願いいたします。

初回相談は無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

ハラスメント被害でよくあるご質問

ハラスメント被害について、当探偵事務所によく寄せられる質問にお答えします。

Q1,「指導」「注意」とハラスメントの境界線はどこにありますか?

業務上の適正な指導や注意は、たとえ厳しくてもハラスメントには該当しません。
しかし、以下のような要素が含まれる場合は、ハラスメントと認定される可能性が高くなります。

  • 人格否定が含まれるか
  • 業務上の必要性があるか
  • 方法が適切か
  • 継続性・執拗さがあるか
  • 相手の状況への配慮があるか

ハラスメントかどうか判断に迷う場合は、専門家に相談することをおすすめします。

Q2,ハラスメント加害者に嫌がらせの意図がなくても、ハラスメントは成立しますか?

成立します。

ハラスメントは被害者の感情が基準になるため、加害者に「傷つけよう」という意図がなかったとしても、被害者が傷つき、不快感を覚えた時点で成立します。

「冗談のつもりだった」「そんなつもりはなかった」「指導のためだった」という弁解は、ハラスメントの成立を否定する理由にはなりません。

ただし、悪意の有無は、損害賠償額や懲戒処分の重さに影響することがあります。

意図的・悪質なハラスメントは、より重い責任を問われます。

Q3,ハラスメント被害は訴えることができますか?

はい、ハラスメント被害は法的に訴えることができます。

民事訴訟として、加害者個人および企業に対して、損害賠償請求が可能です。

慰謝料、治療費、逸失利益(働けなかったことによる収入の損失)などを請求できます。

また、刑事事件として立件できる場合(暴行、傷害、脅迫、名誉毀損など)は、警察に被害届や告訴状を提出できます。

労働問題としては、労働審判を申し立てることもできます。

労働審判は、通常の訴訟よりも迅速(原則3回以内の期日で解決)で、費用も比較的低額です。

訴訟を起こすためには、ハラスメントの事実を証明する証拠が不可欠です。

日記、録音、メール、診断書、証言などを準備しましょう。

弁護士に相談することで、最適な法的手段を選択できます。

Q4,配偶者からのハラスメントが離婚の理由になりますか?

はい、配偶者からのハラスメントは離婚事由となります

民法770条1項では、離婚事由として以下を定めています。

  • 配偶者の不貞行為
  • 悪意の遺棄
  • 3年以上の生死不明
  • 回復の見込みがない強度の精神病
  • その他婚姻を継続し難い重大な事由

モラハラ、DV、経済的DV、性的ハラスメントなどは、この「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当します。

裁判所は、夫婦関係が破綻しており、回復の見込みがないと判断すれば、離婚を認めます。

ハラスメントの程度、期間、被害者への影響などを総合的に考慮して判断されます。

離婚が認められれば、慰謝料請求も可能です。また、財産分与、養育費、親権なども併せて請求できます。

Q5,ハラスメント調査は、加害者や外部の人にバレませんか?

当探偵事務所では、調査が加害者や外部に発覚しないよう、細心の注意を払っています
調査の秘密保持は、探偵業法でも義務付けられており、当探偵事務所は厳格に守っています。
具体的には、以下のような対策を講じています。

調査員の身元の秘匿

調査員が探偵であることが分からないよう、一般人として行動します。服装、持ち物、行動パターンなど、細部まで配慮しています。

依頼者情報の厳格管理

依頼者の個人情報は、厳格に管理され、外部に漏れることは一切ありません。報告書なども、安全な方法で受け渡しします。

調査手法の工夫

不自然な行動や目立つ調査は行いません。自然な形で情報を収集し、証拠を確保します。

連絡方法の配慮

依頼者との連絡は、本人が希望する方法(特定の電話番号、メールアドレスなど)で行い、家族や同僚に知られないよう配慮しています。

依頼者の安全とプライバシーを最優先に考え、行動いたします。

ハラスメント被害に悩んだときは当探偵事務所にご相談ください

ハラスメント被害は、一人で抱え込む問題ではありません。

適切な支援を受けることで、必ず解決への道は開けます。

当探偵事務所は、ハラスメント被害の証拠収集から、その後の解決サポートまで、豊富な経験と専門知識でお手伝いします。

こんなお悩みがあれば、今すぐご相談ください

  • 職場でのパワハラ、セクハラに苦しんでいる
  • 家庭内でのモラハラ、DVから逃れたい
  • カスタマーハラスメントで精神的に追い詰められている
  • 証拠がなく、誰にも信じてもらえない
  • どこに相談すればいいか分からない
  • 訴えたいが、証拠が不十分だと言われた

当探偵事務所では、初回相談を無料で承っております。

まずはあなたの状況をお聞かせください。秘密は厳守いたしますので、安心してお話しいただけます。

ご相談は24時間365日受け付けており、電話、お問い合わせフォーム、メール、LINEなど、自身に適した方法で状況をお伝えください。

ハラスメントは、放置すればするほど深刻化します。

あなたの人生を取り戻すために、勇気を持って第一歩を踏み出してください。

当探偵事務所が、あなたの味方として、全力でサポートいたします。

執筆/監修者:山内 和也

株式会社名古屋東海ファミリー探偵社代表取締役
愛知県公安委員会第54250041号

2004年から(20年以上)調査業に従事し、累計調査件数3,000件超。浮気調査、海外調査(北米・東南アジア圏) 嫌がらせ調査、および、人探し調査を専門領域とする。他社で対応が困難と判断された難易度の高い案件についても、解決に向けた最適な調査プランをご提案することが可能。豊富な経験と実績に基づき、ご依頼者様の不安を解消することに全力を尽くす。

目次