ストーカー被害を警察に相談すると、「証拠がないと動けない」と言われることがあります。
「証拠」と言われても、何をどうそろえればいいのかは分からないままです。
警察が警告や禁止命令に進むために要るのは、相手が誰か、何の目的か、くり返すおそれがあるかを示す材料で、被害のひどさではないのです。
相手が誰なのか、自分のいない時間に何が起きているかまでは、自分の記録では分かりません。
探偵は、相手の行動と留守中の出来事を調べ、いつ、どこで、何があったかを警察にもう一度相談するときの材料にします。
この記事では、ストーカー被害を相談しても警察が動かない理由と、警察に相談したあとに取れる手続き、もう一度相談する前にそろえる記録、自分で記録しても分からないことが分かります。
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ストーカー被害を相談しても警察が動かない理由

警察に相談したのに、話を聞いて記録を取るだけで終わることがあります。
ストーカー規制法で警察が警告や禁止命令に進むには、相手が特定でき、目的が法律の定める感情にあたり、同じ行為がくり返されるおそれがあるという3つを示す材料が要るためです。
ここでは、この3つの材料と、「証拠がない」と言われたときに何が足りていないのかを確認できます。
相手が誰か分からないと、警告の宛先が決まらない
警告も禁止命令も、行為をした本人に対して出す処分です。
家の前に立っていた人の顔は覚えていても、名前も住まいも分からなければ、警察は警告を届ける相手を決められません。
警察庁の集計では、2025年に警察へ寄せられたストーカーの相談22,881件のうち、相手との関係が不明なものが2,260件(9.9%)、面識のない相手によるものが2,021件(8.8%)でした。
相手との関係が分からないまま警察に相談している方が、10件に1件ほどいることになります。
引用元:警察庁|令和7年におけるストーカー事案等への対応状況(2026年3月19日公表・1〜2ページ)
恋愛感情か、好意が満たされなかった恨み以外の目的は対象外
ストーカー規制法の「つきまとい等」は、特定の人への恋愛感情やその他の好意、またはそれが満たされなかった恨みを満たす目的で行う行為に限られています。
近所のもめごとや仕事上のトラブルからくる嫌がらせは、同じ行為でもこの法律では扱えないことがあるのです。
相手との関係や動機が分からないと、警察はどの法律で対応するかを判断しにくいとみられます。
2025年の警察への相談のうち、この法律に当てはまらない動機だったものは1,536件、動機が分からないものは3,007件でした。
引用元:e-Gov法令検索|ストーカー行為等の規制等に関する法律(第2条第1項)、警察庁|令和7年におけるストーカー事案等への対応状況(2ページ)
相手が「恋愛感情はない」と話している場合の対処は、恋愛感情なしと供述しているストーカーへの対処法で確認できます。
1回の出来事では「ストーカー行為」にならない
法律上の「ストーカー行為」は、同じ相手に対してつきまとい等をくり返すことを指します。
待ち伏せが1回あっただけでは、警察に相談として受け付けられても、罰則の対象にはなりません。
警告を出す条件にも、相手がさらにくり返すおそれがあると警察が認めることが入っています。
同じ相手が、いつ、何回くり返したかを示す記録がないと、警察は「証拠がない」と答えることになるでしょう。
引用元:e-Gov法令検索|ストーカー行為等の規制等に関する法律(第2条第4項・第4条第1項・第18条)
警察に相談したあとに取れる手続き

警察への相談は、話を聞いてもらって終わりではなく、その先に申し出られる手続きがあります。
文書警告・禁止命令・援助は、いずれも被害者の側から申し出られる手続きです。
ここでは、申出の種類と、警告が出なかったときに受け取れる書面を確認できます。
文書警告の申出
警告は、警察本部長または警察署長が、相手に対して「さらにくり返してはならない」と告げる手続きです。
被害者がお住まいを管轄する警察署に申し出るほか、2025年の法改正で、報復やエスカレートが怖くて申し出にくい場合に、被害者の意向を踏まえたうえで警察が職権で警告することもできるようになりました。
2025年に出された警告は、全国で1,577件です。
引用元:愛知県警察|警察に相談した後の手続き、警察庁|令和7年におけるストーカー事案等への対応状況(3ページ)
禁止命令の申出・違反したときの罰則
禁止命令は都道府県の公安委員会が出す命令で、原則として相手の言い分を聞く聴聞を経てから出されるものです。
身体の安全などを守るために急ぐ必要があるときは、聴聞を経ずに出される命令もあります。
効力は1年で、続ける必要があれば1年ずつ延長できる仕組みです。
命令に違反してストーカー行為をした相手には、2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金が定められています。
2025年の禁止命令等は3,037件で、そのうち1,840件が聴聞を経ない緊急の命令でした。
引用元:e-Gov法令検索|ストーカー行為等の規制等に関する法律(第5条・第19条)、警察庁|令和7年におけるストーカー事案等への対応状況(3ページ)
警告が出なかった理由は、書面で受け取れる
警告を申し出たのに警察が警告をしなかったときは、警察はその旨と理由を、申し出た人に書面で通知しなければなりません。
「動いてくれなかった」で終わらせず、何が足りなかったのかをこの書面で確かめられます。
禁止命令の申出にも同じ定めがあり、書面に書かれた理由を読めば、次に何を記録すればいいかが分かるでしょう。
引用元:e-Gov法令検索|ストーカー行為等の規制等に関する法律(第4条第4項・第5条第7項)
援助の申出
被害者が自分で被害を防ぐための援助を、警察に申し出ることもできます。
援助の内容は、防犯ブザーの貸し出し、相手と被害防止の交渉をするときに相手の住所・氏名を教えること、警告や禁止命令を実施したことを示す書面の交付などです。
援助の申出も、お住まいを管轄する警察署に口頭か文書で行います。
引用元:愛知県警察|警察に相談した後の手続き、e-Gov法令検索|ストーカー行為等の規制等に関する法律(第7条)
もう一度相談する前にそろえる記録

二度目の相談で警察の対応が変わるかどうかは、同じ相手のくり返しをどこまで示せるかにかかっています。
1回ずつの出来事を日時と場所つきで並べれば、反復の条件を自分の記録で示せるはずです。
ここでは、愛知県警察が案内している記録の取り方を、反復を示す形に組み替えて確認できます。
待ち伏せ・つきまといは、日時と相手の特徴を1件ずつ
相手の姿を見かけたときに残しておきたい項目は、次の5つです。
- 日時と場所
- 相手の身長・体格・髪型などの身体的な特徴
- 服装
- 使っていた車の色・車種・ナンバー
- その場にいた目撃者
同じ特徴の人物が、別の日に、別の場所で現れたという記録が並ぶと、くり返していることが伝わります。
身の危険を感じたときは、記録より先に110番です。
引用元:愛知県警察|被害状況を明らかにするためのポイント
電話は録音、メッセージは別の媒体に保存
電話は着信の時刻と通話の内容を書き留め、録音の機能があれば会話を録音します。
メールやSNSのメッセージは、スマートフォンの中だけに置かず、別の媒体に保存したうえで印刷し、警察署に持参するのが基本です。
スマートフォンは保存できる量に限りがあるため、早めに別の媒体へ移しておく必要があります。
機種変更や初期化で消えたデータは、相手がくり返していた証拠ごと失われてしまうでしょう。
届いた手紙・荷物は捨てずに保管
相手から送られてきた手紙や荷物は、気味が悪くても捨てずに、警察に届け出るまで保管しておく必要があります。
届いた物そのものが、いつ、何が送られてきたかというくり返しを示す材料になるでしょう。
届いた日付をメモに書き添えておけば、ほかの記録と同じ時系列に並べられます。
自分で記録しても分からないこと
日時と特徴の記録がそろっても、それだけでは埋まらない部分が残るものです。
自分の記録に残るのは自分が見た場面だけで、相手が誰なのかと、自分がいない時間に何をしているかは、別の方法で確かめることになります。
ここでは、自分の記録では届かない2つの点と、自分で確かめにいったときに起きることを確認できます。
相手の名前と住まいは、見た目の記録からは出てこない
服装や車の特徴を何件集めても、その人物の名前と住所は記録に現れません。
警告や禁止命令は相手本人に出す処分なので、宛先が分からないままでは、警察は手続きを進められないのです。
2025年の警察への相談のうち、相手との関係が分からないものは2,260件あり、相手が誰か分からないまま相談している方がいることがうかがえます。
留守中のくり返しは、自分の目では確認できない
相手が家の前に来ているのは、自分が外出している昼間という可能性もあります。
在宅中の出来事は自分で記録できますが、留守中の出入りは記録に残らないのです。
防犯カメラを置いても、夜間や帽子・マスクで顔が分からず、同じ人物かどうかを映像だけで判断できないこともあります。
留守中の出入りを防犯カメラで記録する方法は、不法侵入の証拠の残し方で確認できます。
自分で相手を確かめにいくと、鉢合わせる
相手の後をつけて住まいを突き止める、SNSで名前を探す、直接声をかけて確かめる、という方法は、どれも相手に気づかれる可能性があります。
気づかれた相手が警戒して行動を変えると、くり返しの証拠は取れなくなるのです。
相手と顔を合わせれば、その場で危害を加えられるおそれもあるでしょう。
愛知県警察も、相手と向き合うときは自分1人で対処せず、第三者を交えて対処するよう案内しています。
引用元:愛知県警察|許すなストーカー 悪質なつきまとい等への対策
探偵の調査で確かめられることと料金
探偵の調査では、つきまといや待ち伏せが起きている日時と場所を、第三者の立場で確認します。
自分の記録と調査の記録を並べれば、同じ相手がくり返していることを、自分の証言だけに頼らずに示せるでしょう。
ここでは、調査で確かめる内容と報告書の使い方、料金と相談の流れを確認できます。
つきまとい・待ち伏せの事実確認
自分の記録から、相手が現れやすい曜日・時間帯・場所に見当がつけば、その条件に合わせた調査が可能です。
調査で確認した相手の行動は、日時・場所とあわせて1件ずつ記録に残します。
自分の目が届かない時間帯をどう確認するかも、相談のときに決められるでしょう。
調べた結果、心配していた相手ではなかったと分かることもあります。
報告書は警察への再相談に使える
確認した内容は、日時と場所を添えた報告書としてお渡しするものです。
報告書があれば、警察への二度目の相談で、いつ、どこで、何回起きたかを具体的に示せます。
弁護士に相談するときの説明にも、同じ報告書を使えるでしょう。
料金と相談の流れ
ストーカー対策の調査は、料金案内の「嫌がらせ対策」が目安で、基本料金は132,000円(税込)から、即日対応は154,000円(税込)からです。
調べる日数や人数は、相談でうかがった状況から決め、費用を見積もってから調査を始めます。
見積もりの段階で調査の内容と費用を確かめてから、依頼するかどうかを決められるでしょう。
ストーカーや嫌がらせの調査は、迷惑行為の調査のページで確認できます。
主な対応エリアは愛知・岐阜・三重・静岡で、県外にお住まいの方からのご相談にも対応。
ストーカーの調査では、相手がいつ現れるかを前もって読めません。
現れる日が絞れないと、確認にかかる日数が増え、費用も増えます。
しかし、ここまでに書いた記録があれば、調べる曜日と時間帯を絞れるはずです。
記録がメモ数件の段階でも、分かっている範囲だけでご相談いただけます。
ストーカーの警察対応についてよくある質問
待ち伏せが1回あっただけでも警察に相談できますか?
相談できます。
1回の出来事は法律上のストーカー行為にはあたりませんが、警察に相談した日と内容を自分でも記録しておけば、くり返されたときに反復を示す材料になります。
警察に相談したら、相手に連絡がいきますか?
警告や禁止命令は、被害者の申出か、警察が職権で必要と判断したときに行われます。
相談のときに、相手に知られたくないのか、警告を望むのかを伝えておけば、意向に沿わない対応は避けやすいでしょう。
警告のあとに報復されないか不安なときは?
2025年の法改正で、報復への不安から申出が難しい場合に、被害者の意向を踏まえて警察が職権で警告できるようになりました。
禁止命令に違反した相手には罰則があり、警告のあとに同じ行為が続いたときは、禁止命令を申し出る材料になります。
違反があったときは、その日時を記録して警察に伝えます。
相手が誰か分からなくても探偵に依頼できますか?
ご相談いただけます。
見かけた日時・場所・服装・車の特徴から調べる条件を絞り、相手の行動を確認します。
ストーカー被害で警察が動かないなら、ご相談ください
ストーカー被害を相談しても警察が動かないときは、相手の特定・目的・くり返しのおそれの3つのうち、どれかを示す材料が足りていないのかもしれません。
日時と特徴の記録は自分で残せますが、相手が誰か、留守中に何が起きているかは、調査で確かめることになるでしょう。
| 警察が動かない理由 | 相手の特定・好意が満たされなかった恨みなどの目的・くり返しのおそれ、の3つを示す材料が足りていない |
| 申し出られる手続き | 文書警告(2025年1,577件)・禁止命令(3,037件・効力1年)・援助。いずれも管轄の警察署へ |
| 警告を申し出て出なかったとき | 警察はその旨と理由を書面で通知する(第4条第4項)。次に何を記録するかが分かる |
| 自分でそろえる記録 | 日時・場所・相手の特徴・車のナンバー・目撃者。電話は録音、メッセージは別の媒体へ保存、手紙は保管 |
| 自分では分からないこと | 相手の名前と住所、留守中のくり返し。自分で確かめにいくと気づかれ、危害のおそれもある |
| 探偵の調査 | つきまとい・待ち伏せの事実確認と報告書。基本料金132,000円(税込)から |
記録と報告書がそろえば、文書警告や禁止命令の申出を、具体的な材料つきで進められるはずです。
相手の見当がつかない段階のご相談も、無料でお受けしています。



